振袖には色々なデザインがありますが、そのなかでも高価で品格が高いと言われているのが「総絞り」です。古典的でありながらゴージャスな総絞りは、最近成人式の振袖としても人気が高いので要チェックです☆
今回は総絞りの振袖がどんな振袖なのかを解説します。振袖の絞りの歴史や種類、価格の目安、総絞りの振袖を着るときに注意したいことも解説しますので、振袖選びに迷っている方はぜひチェックしてみてくださいねっ♡
総絞りの振袖とは?
総絞りの振袖とは、布地全体を「絞り染め」で染めた振袖のことをいいます。絞り染めとは、日本で最も古い染色の技術で、6・7世紀頃には行われていたといわれる染め方なんです☆布を縛ったり折ったりしてその部分が染まらないようにして模様を作ります。
全ての作業は職人さんが手作業で行わなければならないので、大量生産ができません。総絞りの振袖の場合、模様を考えながら約20万箇所以上を縛って染めるので、一つの振袖を作るのに数ヶ月〜1年はかかると言われているんです!作るのがとっても大変な振袖なので、高価な振袖と知られているのも頷けますよねっ♪
振袖の絞りの歴史や種類
製作に手間も時間もかかる、レアな絞りの振袖。日本で最も古い染色技術とお話ししましたが、どんな歴史があるのでしょうか。絞りの種類についても紹介します。
振袖の絞りの歴史
絞りという染め方は奈良時代頃に生まれた方法です。振袖だけに使われていた染色方法というわけではなく、それ以外の着物にも使われてきました。奈良の正倉院にも、絞りで作られた着物がたくさん展示されているんですよ☆
奈良時代に誕生したと言っても当時はそれほど知られてはいませんでしたが、室町時代頃に生まれた「辻が花」という絞りの種類で一気に人気がアップします。一度は他の染色方に押されて人気がなくなってしまいますが、江戸時代には「疋田鹿の子絞り」という種類が一大ブームに☆かなりの贅沢品であったことから、あの大奥でも着用禁止令が出たこともあるんです!
江戸や京都といった日本の中心部以外でも「有松絞り」という種類などが生まれ、庶民の間でも流行します。上流階級の女性が着ていた総絞りの振袖や着物は、庶民にとっては大きな憧れでした♡
絞りの種類
奈良時代に生まれてからさまざまな絞りの種類が生まれましたが、代表的な3つの絞りを紹介します。
辻が花
絞りの着物が注目を集めたのは、室町時代頃に誕生した辻が花のおかげでした。幻の染め物とも呼ばれるレアな絞りで、着物に絵画を施したような美しさが魅力です♡絞りの技術にぼかしの技術をプラスしています。現在は手作業の辻が花はほとんどなく、辻が花と呼ばれている振袖や着物はプリントやから絞りという技法で作られたものです。
疋田鹿の子絞り
疋田鹿の子絞りは総鹿の子絞りとも呼ばれり絞りの種類で、見た目が鹿の背中の柄のように見えることからこの名前がつきました☆布目に対して45度で鹿の子を敷き詰めているのが特徴です♪器具などは一切使わず、糸を使って指先だけで絞って模様を作ります。有名な産地は京都です。
有松絞り
庶民でも手に入る絞りとして生まれたのが名古屋地方で生まれた有松絞りです。絞りの種類は100種類以上あり、糸を使って絞るだけでなく、器具を使って挟んだり折ったりしながら手作業で作られます。三浦絞り・巻き上げ絞り・蜘蛛絞り・鹿の子絞りなどを組み合わせて、一つのデザインを作る技法です☆
総絞りの振袖の価格目安
江戸時代から贅沢品と言われていた総絞りの振袖は、今でも貴重な振袖です。総絞りの振袖を購入する場合、安くても100万円くらいはします。また疋田鹿の子の総絞りを作っている京都の最高峰メーカーが作る総絞りの振袖は200〜1000万円することも!全て手作業で作られる総絞りは、現代でも超高級品なんですね。高価な総絞りはあまりレンタルでは出回っていません。
ただ総絞りの風合いを楽しめるようにプリントで同じような柄を仕上げた振袖も出ています。こちらは絞り特有の凹凸感はありませんが、価格は格段にリーズナブルです♪
総絞りの振袖の注意点
総絞りの振袖で注意しておきたいことを3つ紹介します。
160cm前後の人が似合う
総絞り独特の風合いが美しく見えるのは、160cm前半の人と言われています。身長が高い場合は部分的に絞りをあしらったデザインの方が美しく見えるでしょう。
湿気や水分に気をつける
振袖を含めた着物自体が湿気や水分には弱いですが、絞りは特に注意が必要です。湿気や水分で絞りの形が崩れてしまうことも。手元にある場合は防水加工をしておきましょう!
上に物を載せない
総絞りの振袖は手作業でできたからこそ生まれる凹凸が魅力の一つです。しかし上に物を載せてしまうと、凹凸が消えてしまいます。保管するときは気をつけましょう。
総絞りの振袖はレアで高価!人と違う振袖を着たいならおすすめ☆
レンタルではあまり出回っていない総絞りの振袖。とっても貴重で高価な振袖ですが、成人式で他の人と差をつけたいならおすすめの振袖です♪気軽に購入できる物ではないですが、チャンスがあれば着てみたいですよね♡最近は絞りをプリントで表現した振袖もあるので、そちらもおすすめですよ☆